中学受験の理科が得意になる!教育専門家が考える、家庭や塾での勉強法

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中学受験に必要な科目は国語・算数・理科・社会の四科目ですが、その中でも「今ひとつ勉強のしかたがわからない」というお子さんが多いのが、理科ではないでしょうか。

そこで今回は、中学受験理科の専門家である辻義夫先生に、中学受験の理科について塾の授業がよくわかり、がんばった分だけ成績につながる勉強法について記事を書いていただきました。

中学受験の理科という科目は「覚えるもの」?

中学受験の理科には物理・化学・生物・地学の四分野あり、物理や化学は思考系、生物と地学は暗記系の分野と呼ばれ、子どもたちはそれぞれの分野についてどのように勉強すればわからないことが多いようです。

中学受験を目指す多くのお子さんが塾通いを始めるのが、4年生です。
それは、多くの塾のカリキュラムが4年生〜6年生の3年間かけて、中学受験に必要な内容を習うものになっているからです。

中学受験のための塾に入ったばかりの4年生のお子さんにとって、算数というのは計算したり、文章題を読んで解き方を考える、そんな科目です。
国語は、漢字や語句を覚えたり、文章を読んで作者や登場人物の考えや思いを想像し答える科目。

この科目それぞれのイメージは、5年生、6年生と学年が上がっても大きく変わることはありません。
また問題のレベルを除けば、学校の算数、国語と塾の算数、国語のイメージも大きく変わることはないでしょう。

では、理科という科目はどうでしょう。

4年生のうちは、植物や動物の名前を覚えたり、太陽や月の動きを覚えたり。
つまり、覚えることが中心の科目というのが、子どもたちにとっての理科という科目です。

5年生になると理科が急に難しくなる

しかし5年生くらいから、中学受験の勉強では物理や化学の計算問題がどんどん出てきます。
それまでは「覚えれば点が取れる科目」だった理科が、急に難しい科目に変わるのです。

宿題を通して習ったことを何度も繰り返し、次の週のテストで結果を出す。
結果を出すために、何度も繰り返して問題を解き、内容を暗記する。

決して間違ったことではないのですが、こればかりを繰り返していると、「理科は何度も繰り返して覚える科目」になっていきます。

この状態で5年生になると、お子さんたちにとっての理科という科目の印象が急に変わり、勉強のしかたがわからなくなるのです。

中学受験の「5年生ギャップ」を乗り越えるためには

「5年生ギャップ」は、4年生のときから塾に通っているお子さんが感じるものですが、5年生から塾に通い始めたお子さんも、同じようなギャップを感じるようです。
学校の理科の勉強が、塾に通うお子さんの4年生のときの理科の勉強に通じるものがあるからです。

学校の理科では、習ったことを理解して覚えていればよかったのが、中学受験勉強の理科では、理解した上でさらに発展的な内容のことを考えたり、緻密な計算などの作業を求められます。

こうなると「理科はわかりにくくて面白くない科目」となりがちで、分野によっては「どうせ授業を聞いてもわからない」となってしまうのです。

この「5年生ギャップ」をなくすには、4年生のうちから「理科は覚えるだけでなんとかなる科目」とお子さんに思わせないことが大切です。

そこで大切なのが「テキストに書いていることだけではなく、そこから派生することまで勉強する」という意識です。
これは、お子さんにも、親御さんにも心がけてほしいことです。

どうしても中学受験の塾に通っていると「次の週のテストまでにテキストを完璧に」という勉強になってしまいます。
そうなると、理科の勉強はだんだん面白くなくなり、学年が上がるにつれて成績も下がってきます。

そうではなく「テキストの外へ知識を広げる」ことが中学受験の理科の勉強を楽しいものにして、結果を出すヒントです。

たとえば、テキストの問題で選択肢の中から「ヒマワリ」を選ぶと正解の問題があれば、それを選んで終わりではなく、ヒマワリは何科だったか、花のつくりはどのようなものだったか、同じ仲間にはどのような花があるか、といったことを調べ「へぇ〜、なるほど!」という体験をすることが大切なのです。

中学受験の理科が好きになる、家庭学習法

では、そんな「テキストの外へ知識を広げる」には、具体的にどのような勉強をすればいいのでしょうか。

おすすめなのは、塾のテキストの他に、良質な図鑑や図録、参考書を用意することです。
塾のテキストによっては、非常にたくさんの写真が使われているものもあります(四谷大塚の「予習シリーズ」など)が、多くの中学受験の塾のテキストに登場する動植物の写真は非常に限られたものです。

実力テストの選択肢に出てきた生物がどんなものか知りたくて、テキストの中で探したけど見つからない、といったことがあるのです。
ですから、テキストやテストの中に「この植物ってどんな姿をしているんだろう」と思うものがあったときにすぐに調べられるようにしておくのです。

こうやって、できるだけ「テキストの中に出てきたものだけ」の勉強から外へ外へと広げていくようにします。

天体や気象など、地学分野に関することでも同じです。
テキストのイラストで眺めるオリオン座と、赤い一等星ベテルギウス、青白い一等星リゲルの輝く写真でのオリオン座では、インパクトも記憶への残り方も違ってきます。

化学、物理分野は良質な問題集、参考書を

中学受験の化学、物理分野は、お子さんたちにとっては難解なものです。
算数以上に細かな小数計算をしたり、電流や力学など目に見えないものを計算によって求めなければならないからです。

このような分野の理解を深めるのに大切なのは、良質な解説です。

同じことを説明するのにも、相手が中学生や高校生の場合と小学生の場合では、使うべき言葉も用いるべきたとえも違ってきます。
中学受験の理科は、内容的には中学、高校範囲まで出てきますが、たとえば小学生に「オームの法則」と伝えると、大半はその時点で「わからない」という印象を持ちます。

だから、たとえば電流を管の中を駆け抜けていく小さな生き物に例えたり、電気抵抗を進路を邪魔するモンスターに例えたり、子どもに受け入れやすい表現を使って伝える必要があるのです。

このような、子どもにとって受け入れやすい解説が書かれた問題集や参考書を手元においておけば、塾の授業でわからないところがあっても、家に帰ってから復習で解決することができます。

そんな良質な参考書、問題集ですが、もしも親御さんが化学、物理が得意でないなら、その親御さんが読んでみて「これなら仕組みが理解できる」と思えるかどうかで選んでもとよいと思います。
もちろん、お子さん自身が読んで選ぶのでもOKです。

中学受験の理科は、どんどん「テキストの外」へ

理科は、他の教科以上に幅広いことをテーマとする教科です。
ですから中学受験の塾の授業内容だけを完璧に、といった狭い視点ではなはく、塾で習ったことを家庭でさらに広げて学べるようになれば、どんどん力がついていきます。

その視点で取り組めば、塾の先生の説明の中にも、実は知識を広げるヒントがたくさん散りばめられていることに気づくと思います。

ぜひ家庭での「テキストの外へ広げる」取り組みで理科を得意科目にしてあげてください。

テキスト:塾ドリ編集部