偏差値30台でも中学受験を諦めないでいい理由

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「わざわざ偏差値の低い学校を受験させる意味ってあるの?」

中学受験に関しては、「難関校神話」「東大神話」があります。
難関校と呼ばれる偏差値の高い学校のほうが価値がある、東大など難関国公立大学にたくさんの人数合格している学校を目指すべき、というもの。

お子さんに中学受験させようと、情報を集め始めたご家庭が、まず行き当たるのがこういった情報です。

そんなご家庭が、お子さんに進学塾の入塾テストを受けさせた結果、ショックを受けることがあります。
初めての塾のテスト、ということで覚悟はしていたものの、想像以上に低い偏差値が返ってきたからです。

塾での成績が偏差値30台、そんな場合は中学受験は諦めたほうがいいのでしょうか。

ここでは、中学受験塾の偏差値30台とは現実問題としてどのようなものなのか、また偏差値30台で合格できる中学校にはどんな学校があるのかなどを考えていきたいと思います。

学校では優等生で中学受験の塾のテストで偏差値30台

上で述べたように、普通の小学生が中学受験塾の公開テストなどを受けた場合、偏差値30台といった結果となることは、決して珍しいことではありません。
中学受験塾での勉強内容は、学校の勉強とはかけ離れているからです。

中学受験を目指そうというお子さんは、学校では成績優秀なお子さんが多いので、親子とも受けるショックは相当なものです。
しかし、塾の公開テストの内容はそもそも学校で習わないことが中心だと知っていれば、そういうものだと納得することができますね。

塾に通っていて偏差値30台だったら中学受験はやめたほうがいい?

半年、1年と塾に通っているけれど偏差値30台、というお子さんもいます。
親としては、塾に通っているんだから、もうちょっとなんとかならないものかと思ってしまいます。

そして、こんなに成績が上がらないなら、中学受験を諦めたほうがよいのかも、と考える親御さんも出てきます。

そんなときに思い出していただきたいのが、そもそも中学受験塾に通っているお子さんたちは成績優秀なお子さんが多いということです。
全国の高校進学率は98%を超えます。子どもたちのほとんどが受ける高校受験と、ほんの一握りだけが受ける中学受験では、偏差値の意味合いも大きく違います。

全国で中学受験する子どもの割合は、わずか7%強。その7%の成績優秀者の中で偏差値を上げることが、いかに難しいかがわかると思います。

したがって中学受験塾で偏差値30台だからといって、受験を諦めたほうがいいとか、受験する意味がないとは全く言い切れないのです。

次の項目では、実際に中学受験と高校受験ではどれくらい偏差値が違うのかを見ていきたいと思います。

中学受験は高校受験よりも偏差値が10~20低くなる

近年、難関中学校は高校からの募集を取りやめるという傾向が続いています。
(男子御三家の中では高校からの募集があるのは開成のみ)

ここでは、中学、高校の両方で生徒を募集している私立中学校の一部について、中学受験での偏差値(四谷大塚 80%合格偏差値)と高校受験での偏差値(市進 都県標準偏差値・合格可能性80%)を表記してみたいと思います。

学校名中学受験偏差値高校受験偏差値
開智未来40~4557~64
春日部共栄41~4258~64
埼玉栄36~4554~60
獨協埼玉39~4160
西武文理40~4760~67
浦和実業(特進)3955
足立学園3652~60
桜美林4461~66
かえつ有明42~4859
佼成学園3556~62
駒込3755~62
十文字4458~64
東京女子学園3549~55
日大宝山3955~58
宝仙学園4061

※(作成:塾ドリ編集部 参照:四谷大塚ホームページ・市進ホームページ)

表からわかるように、中学受験、高校受験の、ともに80%合格ラインを示す偏差値ですが、およそ10~20の差があり、中学受験の偏差値の方が低い数字になることがわかります。

それだけ受験する母集団の成績レベルが高く、低い偏差値でもより上位の学校に合格できることがわかります。

中学受験で偏差値が低めの学校に通わせるメリットの1つは「面倒見」

偏差値レベルの高い私立中学校の校風は、自由で生徒の自主性を重んじるというものが多くなっています。
校風は学校の教育理念や建学の精神とひも付いていて、どんな校風がよいといった考え方はできません。

しかし、一般的に偏差値レベルの低い学校の中には「学校でしっかり勉強させる」「学校の勉強さえがんばれば、大学受験まで対応できるよう指導する」といったことを全面に出すところが多くなっています。
入学しやすく、また入ったら面倒見がよくて「6年かけて伸ばす」ということをセールスポイントにするわけです。

中学受験で伸び切らなかった子は、その時点では精神年齢が平均より高いわけではない子が多いのですが、中、高での精神面の成長とともに学力面でも伸びる子が多いのも事実です。
そこで多くの学校では、長期休暇に補習をしたり授業後に居残りをさせたりして、生徒たちの学力の底上げをはかり、大学合格実績を上げることに力を注いでいるのです。

このような学校を選べば、中学受験であまり無理をせずに大学受験までの無理ないプランを描くことができそうですね。

中学受験はゴールではなく、あくまでも「通過点」であるという視点に立てば、「難関校以外は受験する意味がない」といった狭い視野とは違ったスタンスで中学受験に臨むことができるわけです。

偏差値30台から50+αにするには、勉強法を変えよう

ここまで、中学受験の偏差値30台は決して「勉強ができない」という状態ではなく、また選べる進路もさまざまであることをお伝えしてきました。

しかし親としては、やはりもうちょっと上、偏差値50、さらにその上までが見通せたら、と思うものです。

そこで、塾通いを続けているのに偏差値が30台からなかなか上がらない理由を考えてみます。

塾に真面目に通って、宿題もちゃんとやっているのに偏差値が上がらない原因のほとんどは、勉強法にあります。
勉強法を適切に変えると偏差値が上がる可能性があるのです。

偏差値が30台から上がらないということは、普段の勉強が回っていないことを表しています。
中学受験塾の勉強内容はレベルが高く、宿題の量も非常に多いです。
それら全部に同じように取り組んでいると、時間も足りず身につくことも限られるのです。

塾の宿題に優先順位をつけるのが偏差値を上げるポイント

塾の宿題は、クラス帯が同じならどの子にも同じように出されます。
子どもによって違いはありますが、どの子にとっても「もう練習しなくてもできる問題」「ちょっとがんばればできる問題」「がんばっても今はできない問題」が混在しているのです。

その中で「ちょっとがんばればできる問題」に的を絞って勉強するのが、偏差値を上げるコツです。
この取捨選択の作業は、お子さんの現状を正しく把握している方が行うのがよく、塾の担当の先生が適任とお感じなら、それがいいでしょう。

個別指導教室や家庭教師を利用しているご家庭なら、それらの先生に取捨選択をしていただくのもいいですね。

プロの視点で選ぶのが短期間で実力をつける近道になりますから、これから個別指導教室や家庭教師を利用しようと検討しているなら、そのような協力もしっかり得られるかを確認しておくとよいですね。

以上、塾での偏差値が30台の場合の現状、にできることを考えてきました。
視野の広い考え方と正しい学習法を選べば、現在の偏差値30台は決して悪いことではありません。

ぜひ充実した中学受験にしてくださいね。

テキスト:塾ドリ編集部