中学受験に親の学歴は関係ある?学歴よりも合否を左右する「あること」とは

親の学歴よりも合否を左右する「あること」とは

お子さんの中学受験に、自分の学歴が影響するのではないか、と心配する方が一定数いるようです。
確かに、お子さんが難関校、名門校といわれるような学校を受験するとなったら、少しは気になってしまうかもしれません。

「・・・ないとは思うけど、私の学歴のせいでこの子の中学受験が不利になったら」

そんな心配は本当のところ、どうなのでしょうか。

中学受験の合否には親の学歴は全く関係がない

結論から言うと、お子さんの中学受験の合格、不合格には、親であるあなたの学歴は全く関係がありません。
そもそも、近年の私立中学校の入学願書には、親の学歴も職業すら書くことを求めないのが主流です。
(「緊急連絡先」に職場を記される親御さんは一定数おられるようです)

入試の合否に関して学校が見ているのは、お子さんの学力および学ぶ力、学ぶ意欲です。
だから、入学願書に志望動機を書く欄があり、入試問題で自分の意見を求める記述問題はあっても、いわゆる「家柄」のようなものを書く欄はないのです。

ご自身の学歴から「子どもの入試に影響があったら」と気にされている方は安心してよいようです。

親の学歴が子どもの学力に関係ないわけではない

中学受験の合否に関しては、親の学歴は全く影響しないことがわかりました。
ではお子さんの学力に、親の学歴はどのくらい影響を与えるものなのでしょうか。

2018年に文部科学省が「全国学力・学習状況調査」とそれに付随した「保護者アンケート」を分析した結果を発表しました。
そこからわかったことをいくつかあげてみます。

  1. 世帯別年収と子どもの学力には相関があり、世帯年収の高い家庭の子どもの学力が高い傾向にある
  2. 母親の学歴と子どもの学力には相関があり、母親の学歴の高い家庭の子どもの学力が高い傾向にある
  3. 父親の帰宅時刻と子どもの学力には相関があり、父親の帰宅時刻が遅い家庭の子どもの学力が高い傾向にある

1. に関しては、以前から言われていることですね。
世帯年収が高ければ、義務教育以外の教育費に使える予算が大きいわけですから、比較すると子どもの学力は高くなりがちだと納得できます。

2. が「母親の学歴」となっているのは、父親の学歴とも相関関係があるそうですが、母親の学歴との関係のほうがより顕著だったということで、そちらをとりあげたからです。

3. の調査報告が発表されたときには、この話題は笑い話のように語られたのですが、もちろんお父さんが遅く帰宅しさえすれば子どもの学力が上がる、ということではありません。子どもの学力が高い家庭のお父さんは、遅くまで仕事をしているという傾向がある、ということです。

2. をみると、親の学歴が子どもの学力に影響を与えているといえますが、それではどうしてお母さんが高学歴だと、子どもの学力が高くなる傾向があるのでしょうか。

学歴より、子どもに親の背中を見せているか

「お母さん、この問題がわからないんだけど・・・」

お子さんがそういって算数の問題を持ってきます。

そのとき、上手にヒントを与えて子どもの学習意欲をさらに伸ばしてあげることができると、すばらしいですね。
(お母さんに算数の問題を質問している時点で、学習意欲は高いはずです)

確かに高学歴のお母さんのほうが、こういった場合は有利かもしれません。

ここでお母さんが「答えを見て自分で考えなさい」と突っぱねてしまうと、せっかく高まっていたお子さんの学習意欲は急にトーンダウンしてしまいます。

それでは、算数の問題の解き方がわからないお母さんはダメなのかというと、そんなことはありません。

「どれどれ、面白そうな問題ね。ちょっと一緒に考えてみようか」
「難しい問題を考えてるのね。どれどれ・・・」

でもいいし、理科や社会なら一緒に調べてみるという手もあります。

つまり、お母さんも(もちろんお父さんもですが)算数や理科社会の問題に興味を持って面白がっている、ということが伝わるのが大切なのです。
勉強する、学ぶ、知るということを親が面白がっていれば、子どもも同じような価値観を持つようになるのです。

読書しない親の子どもは本を読まない

上記の文部科学省のレポートでは、読書と学力の相関についても報告されています。
情報収集にテレビやインターネットを利用するのは現代では当たり前になりましたが、学力の高い子どもの親ほど、テレビやインターネット以外の活字からも情報を収集するという結果になったのです。

また子どもについても、学力上位の子どもほど図書館をよく利用するという結果が出ています。

ここでもやはり「本を読みなさい」では効果がないことは想像に難くないですね。
親が本を読まないのに子どもに読めと言っても、子どもは読みません。
「本を読むのは楽しいことだ」というメッセージを親の背中から受け取っていれば、子どもは本を読むようになる可能性が高いのです。

親の学歴よりも中学受験の合否を左右する「あること」とは

一般的には、親の学歴が高いほうが子どもの学力が高いという相関関係があるというお話をしましたが、中学受験ではどうでしょうか。

中学受験では、親の学歴というよりも「受験、勉強、学校に対する考え方」が子どもの受験に影響を与える場合があります。

たとえば親が高学歴の場合、子どもの成績で合格できる学校が「偏差値50」といったことを受け入れられない場合があります。
「俺の息子が偏差値50なんてありえない」
そんな気持ちになってしまうわけです。

実は、難関校の合格者数で知られる進学塾の「サピックス」でいえば、偏差値50はとても大変なことなのです。
難関校を目指す、学力レベルの高い子どもたちが集まっている塾だからです。
その中で成績中位をキープすることは、とても難しいことです。

お子さんは(大人もそうですが)がんばったことに対して認められている、という気持ちや達成感がなければ、自己肯定感を育てることができません。

また、お父さん、お母さんが受験した頃とは、今の私立中学校は変わってきています。
学校名の変更、共学化、進学校化などにより、親世代の価値観では「A中学校なんて滑り止めだったのに」といった学校がかなりの難関校になっていたりもします。

そもそもの勉強のしかたに関して「私たちが受験した頃は、どんどん書いて『手で覚えた』ものだ」という勉強法を、そのままお子さんに当てはめようとしてうまくいかない場合もあります。

親が、いったん自分たちの価値観をリセットし、現在の正確な受験情報をもとにお子さんの学習について考える、といった姿勢が必要とされているのです。

うまくいく子の親には共通点がある

本来、勉強は楽しいもの、面白いもの。

ときにはうまくいかないことがありますが、新しいことを学ぶことや知ることを楽しいと感じ、受験勉強を続けることができた子の親には、共通点があります。

それは「余裕」のようなものがあることです。

うまくいくかも、そうでないかもしれないけど、子どもが楽しそうに受験勉強をしているんだから大丈夫、そんな余裕です。

逆に、親自身も子どもも追い詰めてしまうのは「●●中学校に合格できなかったら、今までやってきたことがすべて水の泡になってしまう」といった焦り、視野の狭くなったものの見方、考え方です。

お子さんが中学受験を通して成長し、親子で「受験してよかった」と思えるような結果を迎えるために、気持ちに余裕を持って取り組みたいですね。

テキスト:塾ドリ編集部